ムーミンの物語のなかの
誰にも存在を気づかれない弱気な小さなかいむしちゃんと
陽気で強気で雑で人の話をまったく聞かないスポーツマンの話が好きだ。
かいむしちゃんはそんな男に憧れてひっついているが
男は全くかいむしちゃんに気づかない。
かいむしちゃん、それは本当にたいした男じゃないよ…と読んでいて歯がゆく思うが
かいむしちゃんはとてもしあわせそうだから、いいのだ。
友人の夫で、気難しく頑固で口が悪い人がいる。
彼は自分自身を絶対に曲げないが
まわりの人間が、全く世間的には正しくない事をしても
その人がその人として責任をもってもがいて選んだ道であるならばと
それをまるっと、あたりまえの事として肯定する。
彼はおそらく性格がすごく悪いが、だからこそ
真に輝く素晴らしさをもっている。
障害をもつ身内をもつ友人がいる。
彼女にとってその身内について考えつづけることは
一生の課題であり、救いであるのだと思う。
萩尾望都の『半神』を私は思い出す。
私が自分の母について一生をかけて考えつづけることと
まったくそれは同じなのだろうと思う。
友人にとってその身内が天使であるように
母は私にとって神なのだろう。