某日。
インドにいつか行くための勉強として
ジョン・アーヴィングの『サーカスの息子』を図書館で借りて、読んでみる。
インド生まれカナダ在住の整形外科医師が、思い出したようにインドの西の都ボンベイに通っては
熱心にサーカスの小人の血液を採取し、かつテレビドラマの脚本も書き、
かつ妻と情熱的にセックスし、かつ殺人事件に巻き込まれてゆくという…。
『サーカスの息子』、まったく何のインドの勉強にもならない事がわかったうえに
何の話なのか、どこまで読んでもさっぱりわからない。
某日。
フィリピンの人がたくさん働いている近所の八百屋にて、フィリピンのパイナップルを買う。
レジにてカタコトの日本語で「ハパキリマスか」と聞かれ
反射的に「はい」と答えてしまい1秒もしないうちに
パイナップルの葉っぱが包丁で切り落とされ、スーパーの袋につっこまれていた。
家に帰り、いつも果物を置く定位置にそのパイナップルを置く。
すると葉っぱのないパイナップルは、妙な存在感を放ちはじめた。
通りかかるたび、いったい何がそこにあるのかと、
一瞬体を硬くしてしまう。