彼女とその家は とてもなかよしだった。
ほんとうは すぐ帰る つもりだったのだけど
その家が あんまり
天国のようだったから
わたしはもう少し いることにして
昼寝をして 散歩をして 餃子をつくって たべて
寝て 風呂にはいりにいって さっぱりして 帰った。
クートラス の絵をみにいった
かえり かしましい いきものの鳴き声がするので
見上げると びっしりと鳥。
さくらの季節 あの子にひさしぶりに会う。
きれいだな かわいいな がんこだな
そこもかわいいな
この子が好きなのは 私じゃないんだな
それでもいいな と
また すこし離れて思う。
「さびしい」とわたしがいうと
「さびしくなんかないよ」と彼はいう。
ある面では彼が正しい。しかし
「さびしい、という感情もひとつの事実なんだから
それを無いものにするな。さびしいという感情を受け入れろ。
さびしいわたしを受け入れろ!」とも思うので
そう、うっとうしくキーキーという。
すきなだけ うっとうしくキーキーといえて
わたしはしあわせだ。