2015年になりました。
あけましておめでとうございます。
生きとし生けるみなさまにとって
よき、たのしき年となりますように。
さて、昨年の話をします。
2014年はMARUUの人生の岐路の年でした。
わたしは「自立したい」と考えていました。
「自立」とは「お金を稼ぐこと」と、漠然とおもっていました。
「今のところ絵や文ではお金を稼げていない」、
ならば「絵や文ではない、お金が定期的に入る仕事が出来るようになろう」
と、いろいろと考えました。
わたしは「近しいひとを癒すこと」に興味がありました。
ならば「介護」を勉強しようと、思い立ちました。
なので、そのための勉強(運転免許取得を含む)を
はじめようとした、矢先のことです。
怒濤のイラストのお仕事ラッシュ、雑貨のイベントラッシュ、
旅、引っ越し、初めての猫、が
いっしょくたに、嵐のようにやってきました。
どれもこれも、今まで喉から手が出るほどやりたかった仕事、
望んでいた機会、ともに暮らしたかった生き物たち、
「わたし」のおおもとで燃えつづけるものが求めているものの、
小さいながらも偉大な欠片、のようなものたちでした。
それらが、なぜか同じタイミングでわたしの元へ
ザブーン!!ドーン!!ザブーン!!
と、やってきたので、
ひたすら暴れくるう波をひっかぶりながら、
水をがぶがぶ飲みながらも、泳ぎ進むのみ、という年となりました。
幼少の頃より、ひたすら読者として恋い慕っている
よしもとばななさん
と、装画のご縁でつながることができたのは
とてもとても嬉しいことでした。
『鳥たち』を初めて読んだとき、あるシーンで
なぜだか、わあわあ、びっくりするくらい泣いてしまいました。
そうしてそのあと、とてもすっきりとした、いいきもちになっていました。
ばななさんの本はどれも大好きで、長年読み込んでいるけれど、
こんなに泣いたのは、実は今回が初めてでした。
勝手ながら、わたしは『鳥たち』のテーマが
「己のかなしみの鎮魂」と「巣立ち」のように思えたので、
今のわたしが抱えるテーマと、まさにリンクしていたのだろう、と考えています。
また、岸本佐知子さん編集の本の装画を描かせていただいたことも、
昨年は本当に嬉しかったことです。
私の中に住まうミーハーな文学少女が
キターーーーーーーーー!!!!!!
と、うれしさに、目玉も、髄液も、臓器も、あらゆる何もかもを、
穴という穴から吹き出させリボンのように結びながら、
喜びの踊りを舞い踊ったことは、いうまでもありません。
(ばななさんのときも然り)
大好きな、命の糧となるような物語たちに絵をそえられることは
絵描きとして、至上のよろこびです。
そういった装画の仕事の合間の引っ越し、猫のひきとり、イベント出店。
雑貨のイベントでは、『もくもく』絵本を手にとって読んでくださる方々の、
存在を、喜びを、じっくりと感じることが出来ました。
それにより、やはり私が進んでいく道はこの道だと、
深く確信することが出来ました。
それは本当に、なにより素晴らしいことでした。
というような、絵のお仕事という名の
ものすごいご褒美がたてつづけにあったもので、
結果的に「創作」からはなれることがまったく出来なかった、
すばらしい年となってしまったのです。
というわけで2014年は、わたしのちっぽけな考えなどおかまいなしに
あちらから、半ば暴力的にやってきてくれたのだから、
2015年は、今度はこちらから自発的に
「創作」の海へと漕ぎ出でようと、わたしは覚悟をきめました。
出航です。
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。
2015年1月 MARUU