坊やの顔

公園に、家族づれが山ほど。

桜の写真を撮っていたら、赤ん坊をつれた女性に

「写真を撮ってくれませんか」と、カメラを渡された。

渡されたカメラをかまえながら、位置を決めているとちゅう、

何度か桜の木の根につまずいて、転びそうになる。

そのたび女性が「あ、すいません」「あ、すいません」と、謝っていた。

位置を決めるも、いつものくせで風景ばかりを大きく撮って、

手前の人物はちいさく撮ってしまった。

チェックしてもらったら「坊やの顔が変なので、もう1枚いいですか」と、女性に、言われた。

「はあ。やっぱり、もう少しアップで撮った方がよかったですよね」と聞いたら

「いいえ。坊やの顔が変なので」と、きっぱりまた、言われた。