2012年10月31日、MARUU Website をオープンします。
おりしも、ハロウィーン。
ハロウィーンといえば。
いきなり、思い出話です。
まだハロウィーンの祭りが、あまり日本に知られていなかった頃の話です。
私は八歳。埼玉の集合住宅地に住んでいました。
当時、某少女漫画に描かれていたハロウィーンの祭りに
絶大なる影響をうけた私は、
自分の住む地域一帯にこのお祭りを普及させようと、
近所の友人達をあつめて仮装行列の計画をたてたことがありました。
しかし当日になると、待ち合わせ場所に殆どの友人は現れませんでした。
ただ一人、マイペースで面白い友人のアカシマさんだけが、やってきました。
(彼女は普通の格好でしれっと、「やっほー」と、やってきました)
某東急ハンズで買った血のりを口からタラリとたらし、
黒いゴミ袋を裂いて繋ぎあわせたマントのようなものを羽織り、
髪の毛にはべったりと、父親のポマードをぬりたくり、
蝶ネクタイを結んだ私は、吸血鬼となって、
マイペースなアカシマさんと町を練り歩きました。
皆ハロウィーンの祭りについて知らないだろうからと、
あらかじめ、説明のための文書も作ってありました。
「Trick or Treatとは?」で始まるそれは、
和紙に筆ペンでおどろおどろしいような文字で書き、
血のりをポタポタとたらし、手で丸めてしわくちゃにして、
最後に紙の端をライターであぶった、渾身のものでした。
それを「トリックオアトリート!」と叫んだあと、
会う大人、会う大人に
「これを読むのじゃ…」
と言って、手渡しました。
だけどその文書を、開いて読んでくれる方はごくわずかでした。
皆、吸血鬼の格好の私に一様にびっくりしたあと、
「◯○ちゃんよね?どうしたの?」
と、心配してくださるばかりです。
しょうがないので、口頭で、たどたどしく
ハロウィーンの祭りについて私は説明しました。
しばらくすると少し伝わるようで、
「要は、食べ物をあげればいいのね?おなかがすいてるのね?」
そう言って皆さん、そのとき家にあったもの、
昆布、さきイカ、ゆで卵、カップラーメンなんかを、
私にたくさんくださいました。
帰り道、友人のアカシマさんと、
いただいたそれらをパクパク食べて歩きながら、
「なんか、思ってたのとちがう…」と、私は思っていました。
「でも、ゆで卵はおいしい」とも、思ってました。
口から血のりをたらしながら。
なにもない、田んぼのあぜ道で。
呑気な八歳です。
呑気な八歳のあの頃と、今のMARUUと、
やっていることはなにも変わらないように思います。
今も、無謀で呑気な三十路です。
これからここから、いろんな遊びを発信していけたらと思っています。
どうぞ、おつきあいください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ハロウィーンのこの、よき日に。
2012年10月31日
MARUU